あなたは、普段の生活の中で「勇気」を意識することはありますか?
私の場合、「勇気」と聞いて、まず思い浮かべるのは、戦国武将などの、困難な状況においてもひるまず戦うシーンです。
勇猛で、とても格好いいですよね。
ですが、「勇気」というのは、勇猛さのことだけではありません。
人に親切にする時や人助けをするときなどにも必要です。
例えば、電車やバスのシートに座っていて、目の前にお年寄りや妊婦さんが立っているときに、「どうぞ座ってください」と言って席を譲るのにも「勇気」が必要です。
普通にできる人には、普通にできることですが、周りの目を気にする人には、「勇気」が必要になります。
以前、こんなことがありました。
ある年の元旦、私は初詣に行こうと思いました。
当時、私は、大和思想を書いていたので、「よ~し、今年は、大和思想を書き上げて、いい年にするぞ!!社会を良くする活動をするぞ!!」と意気込んでいました。
私は、共存共栄の世の中を実現させる活動をしていますが、その頃から、その構想を描いていたので、「社会を良くするんだ!!」と意気込んでいたわけです。
朝の6時半頃、山手線に乗って明治神宮に向かう途中の出来事です。
元旦の朝だったので、電車に乗っている人は非常に少なく、1台の車両に5~6人が乗っている程度でした。
全員が、あっちこっちの席にばらけて座っていました。
その日は、気温は低かったですが、雲一つありませんでした。
初詣にはうってつけの、いい天気でした。
そんな中、途中の駅で、一人の若者が電車に乗ってきました。
その人は、だいぶお酒を飲んでいたようで、フラフラしながらシートに座り、そのままぐったりしていました。
眠っているような、いないような、そんな感じでした。
電車が、次の駅に到着すると、その人は、むっくと立ち上がり、扉の方に向かっていきました。
と、その瞬間…
彼は、手にしていたスマホを、床に落としてしまいました。
ですが、彼は、スマホを落としたことに気づいていませんでした。
電車が駅に到着し、扉が開き、彼は、そのままホームに降りそうな様子でした。
私は、そのことに気づいたわけですが、少し離れたシートに座っていたこともあり、声をかけることができませんでした。
言うなら、その「勇気」がなかったわけです。
「あっ…、あっ…」
と思いましたが、声をかけることができませんでした。
どうなるのかと思いましたが、何もできずに見ていました。
すると、彼のそばのシートに座っていた年配の方が、それに気づきました。
そして、彼に言いました。
「スマホ落としたよ」
彼は、スマホを落としたことに気づき、それを拾い、無事にホームに降りて行ったのでした。
このようなことって、日常生活の中で意外とあると思うのですが、あなたは、いつもどうしていますか?
声をかけていますか?
声をかけていないですか?
多くの人は、「見て見ぬふり」をしているのかもしれません。
ですが、一人一人が、勇気をもって声をかけたり、親切な行動をしたりすることが、より良い社会を実現するためには必要です。
「社会を良くする」というと、とても大きなことのように思えますが、このような身近なことが、実は、とても重要だったりするのです。
なので、そのような場面に遭遇したら、是非、「勇気」をもって、声をかけてあげてください。
あなたの心に眠っている「勇気」を、意識してみてください。