自己実現コーチ 伊藤豪

幸福に必要なのは「社会の安定」「精神の安定」「自己実現」。それらについて語るブログです。

精神状態を安定させる方法4【最終回】

 

 前回まで、3回にわたって、精神状態を安定させる上で特に重要になる3つのことについて、お伝えしてきました。

 

 3つのこととは、以下のことです。

 

1、自分を「常に、あらゆる恩恵に心から感謝している状態」にすること

2、自分を「常に、運命を受け入れている状態」にすること

3、自分を「常に、自分の存在価値を実感している状態」にすること

 

 

 これらを読んだあなたは、それらが、精神状態を安定させる上で、とても重要であることが、一応は、理解できたと思います。

 

 ですが、あなたは、こう思っているのではないでしょうか?

 

「一体どうやってそれを実現させるのか?」「なんだかとても難しそう」「自分には、とてもできそうにない」

 

 確かにそう思えるかもしれません。

 

 ですが、安心してください。とても簡単な方法があるのです。これから、その方法について、説明したいと思います。

 

 

 

 元祖コーチ ルー・タイスのコーチン

 

 あなたは、ルー・タイスの名前を聞いたことがありますか?

 

 元祖コーチと言われる人で、いわゆる自己実現をサポートするコーチングは、ほぼすべてが、ルー・タイスのコーチングから派生したものだと言われています。

 

 彼の実績は、有名なものだけでも、以下の通りです。

 

 米国トップ大企業であるフォーチュン500社の60%以上の企業、英国ではフィナンシャル・タイムズ誌100社の30%以上の企業、その他、連邦政府機関、州政府機関、国防総省、警察、多くの大学、高校、中学等の教育機関に導入され、着実な成果を上げている。

 苫米地博士との共同プログラムであるTPIEや子供向けのコーチングプログラムであるPX2は、全世界で3300万人が受講し、特にPX2は世界各国で行政機関から認可された教育プログラムとして導入されている。

 アメリカ・オリンピックチームや中国のオリンピック委員会がシステムの導入を図るなど、世界各国のプロのスポーツ選手の強化の面でも多くの実績がある。

 タイガー・ウッズの父親も、ルー・タイスのプログラムの受講者であり、その教えを受けたタイガー・ウッズが、ゴルフ界の頂点に君臨した。

 また、オリンピック米国水泳選手のマイケル・フェルプスは、オリンピックで金メダル23個(2018年時点)の歴代1位の結果を出しているが、彼は、10代からこのプログラムを活用している。

 

 ルー・タイスのコーチングプログラムは、このように世界的に実績があるのですが、私は、ルー・タイスのコーチング(TICEコーチング=パフォーマンス・エンハンスメント・コーチング)の認定を正式に受けたプロのコーチです。

 

 ですので、私は、ルー・タイスのプログラムの中心的技術である、アファメーション、ビジュアライゼーション、セルフトークのコントロールを理解しています。

 

 これらを活用すれば、自分を変えるのは、難しくありません。

 

 アファメーション、ビジュアライゼーション、セルフトークのコントロールを行なって、無意識のレベルから自己イメージを変えます。

 

 そうすると、苦しい思いをして頑張ったり、必死になって努力したりしなくても、自然と、その状態に変わっていけるのです。

 

 ビジュアライゼーション、アファメーション、セルフトークのコントロールの説明を以下に載せてありますので、是非、試してみてください。

 

 


 ビジュアライゼーション

自己実現をする(ゴールを達成する)ためには、自己イメージを変える(ゴールの世界やゴールを達成している自分の臨場感を高める)必要がありますが、ビジュアライゼーションは、そのための手法の一つです。

 

 ビジュアライゼーションは、イメージを使って、ゴールの世界のリアリティや自己イメージの臨場感を高める技術です。


 ビジュアライゼーションを行なうときは、まず、「ゴールを達成している自分」を鮮明にイメージします。


 ゴールを達成している自分は、どんな習慣、態度、能力、立ち居振る舞い、服装等をしているかを考え、鮮明にイメージします。


 また、どのような人間関係を持っているか、どのような家に住んでいるか、どのような心持ちで毎日過ごしているか、どのような仕事ぶりか、どのように地域の人と付き合っているか、経済面では何を重視しているか等も鮮明にイメージします。


 ゴールの世界で経営者になっているのであれば、会社や社員の様子はどうか、どんな物やサービスを提供しているか、お客さんの反応はどうか等も鮮明にイメージします。


「ゴールを達成している自分」を、とにかく鮮明にイメージするということです。


 次に、過去の体験を思い出すなどして、「うれしい」「楽しい」「誇らしい」「すがすがしい」「気持ちいい」等の「ポジティブな感情」を呼び起こします。

 そして、呼び起こした「ポジティブな感情」を実感しながら、「ゴールを達成している自分」を鮮明にイメージします。


「ゴールを達成している自分」のイメージと呼び起こした「ポジティブな感情」をセットにして、自分の無意識に刷り込む感じです。


「ゴールを達成している自分」をイメージしたときに、「うれしい」「楽しい」「誇らしい」「すがすがしい」「気持ちいい」等のポジティブな感情が湧き上がってくるようにするのです。

 これがビジュアライゼーションですが、これを何度も繰り返せば、ゴールの世界の自己イメージの臨場感が高まります。そして、その臨場感が高まれば、ホメオスタシスが、その自己イメージを維持するために働くので、自然とゴール達成ができます。

 多くの人は、「今の自分」「今の状況」に高い臨場感を持っていますが、それだと、ホメオスタシスは現状を維持するために機能するので、ゴールを達成することはできません。


 ゴールを達成するためには、とにかく「ゴールを達成している自分」の臨場感を高めることが必要不可欠なの
です。


 ビジュアライゼーションは、そのための有効な手法の一つです。



 アファメーション

 自己実現をする(ゴールを達成する)ためには、自己イメージを変える(ゴールの世界やゴールを達成している自分の臨場感を高める)必要がありますが、アファメーションは、そのための手法の一つです。


 アファメーションは、言葉を使ってゴールの世界のリアリティや自己イメージの臨場感を高める技術です。


 アファメーションは、まず、「ゴールが達成された状態」や「ゴールを達成するために必要なスキル、習慣、人間関係等をすでに手に入れた状態」を文として書きだします。書き出した文に、ポジティブな感情が含まれていると、より効果が得られます。

 例えば、「私は、ゴール達成に必要なことなら、どんなことでも失敗を恐れず、果敢に立ち向かっていきます。たとえ失敗しても、それを簡単に乗り越えることができるので、毎日が、とても楽しいです」「私は、独立、起業して、年商100億円の会社を経営しています。経営がうまくいっているので、毎日が楽しくて仕方ありません」
「私には、圧倒的な存在感、威厳、優しさ、ユーモア、能力、揺るぎない自信があるので、多くの人が私に付き従ってくれています」「私は、一流の経営者なので、必要なスキルを、定期的に楽しみながら高めています」「私は、温かい家庭を築いているので、家族全員が、毎日幸せに暮らしています」「私は、一家の大黒柱として、家族全員の意見に耳を傾けつつ、強力なリーダーシップを発揮しています。みんなから尊敬されているので、とても誇らしいです」等です。

 次に、その文を読みます。そして、その文から想起されるイメージを思い浮かべます(もしくは、その文を読みながら、想起されるイメージを思い浮かべます)。

 これがアファメーションですが、これを繰り返すと、書き出した文の状態が、自己イメージとして無意識に刷り込まれるので、自然とゴール達成に向かっていきます。

 アファメーションは、ゴールの世界の臨場感を高める技術なので、毎日行なうのが理想です。


 ゴール達成に有効だと思うアファメーションがあったら、どんどん行なってください。必要ないと思ったアファメーションはやめるようにします。

 また、アファメーションの効果が得やすいのは、夜寝る前と、朝起きてからです。脳波の状態が、シータ波からアルファ波の状態のときが特に効果的ということです。

 アファメーションは、しっかり行なえば、確実に効果が得られるので、すぐに効果が実感できなくても、とにかく繰り返し続けましょう。


 セルフトーク

 セルフトークとは、「しまった!」「なんて私は馬鹿なんだ」「いいぞいいぞ!」「うまくいった!」というように、内省的に言う独り言、自分自身に語り掛ける言葉のことです。


 誰でも、人の話を聞いているとき、テレビや新聞を見ているとき、何らかの作業をしているとき等に、心の中で、あれこれと独り言を言っています。もちろん、声に出して言っている場合もあります。これらは、すべてセルフトークです。

 ルー・タイスは、このセルフトークをコントロールすることが、人生を変える上で非常に重要だと言っています。


 人は、1日に数万回(一説には5万回)ものセルフトークをしていると言われていますが、そのセルフトークによって自己イメージがつくられているからです。

「なんて私は馬鹿なんだ」というセルフトークを繰り返すと、「私は馬鹿である」という自己イメージを持つことになります。50点をとった時に「まあ、こんなもんだろう」というセルフトークを繰り返すと、「私には50点が普通である」という自己イメージを持つことになります。「いつも失敗するんだよなぁ」というセルフトークを繰り返すと、「私は、いつも失敗する」という自己イメージを持つことになります。「どんな困難でも乗り越えられる」というセルフトークを繰り返すと、「私は、どんな困難でも乗り越えられる」という自己イメージを持つことになります。

 このように、自己イメージは、セルフトークによってつくられるので、自己実現をする(ゴールを達成する)ためには、自己実現につながるポジティブなセルフトークをし、ネガティブなセルフトーク、自己評価を下げるセルフトークは、全くしないようにする必要があります。つまり、セルフトークをコントロールする必要があるということです。


「ポジティブなセルフトーク」と「ネガティブなセルフトーク」の例を挙げるので、それらの違いを理解して、セルフトークをコントロールしてみましょう。


 エフィカシーとセルフ・エスティームが上がるような、ポジティブなセルフトークをしてください。
 うまくいかなかったときや失敗したときは、「今のは自分らしくなかった」「次はこうする」「次はこうなる」というセルフトークをしましょう。


「ポジティブなセルフトーク

「俺って最高!」「失敗したけど、そういうときもある」「今はできないけど、できるようになる」「気にする必要はない」「コツをつかめば、何でもできる」「少しずつだけど、確実に良くなっている」「明日があるさ」「どうにかなるさ」「必ずチャンスは来る」「自分には価値がある」「私にはできる」「これが大好きだ」「これは自分が選んだことだ」


「ネガティブなセルフトーク

「私のせいだ」「ボールを落としてしまった」「私は、いつも重要なときに失敗する」「私には、売り上げが伸ばせない」「私たちはいつも負ける」「私は、その仕事に就けない」「私はいつも貧乏だ」「しなければならない」「ああすべきだった」「そうしていただろうに」「こうできたはず」「ああしさえすれば」「私はいったいどうしたというのだ」「なぜこんなにばかな真似を」「またやってしまった」「自分はいったいどうなっているんだろう」

 

 

 

 

精神状態を安定させる方法3

 

 

前回に続き、今回も、精神状態を安定させる上で、特に重要になることについて、お伝えします。

 

今回は、自分を「常に、自分の存在価値を実感している状態」にするということについてです。

 

 

 人間が幸福を感じる上で、「自分には存在価値がある」と実感できることは、とても重要です。

 

 ですが、世の中の多くの人は、自分に価値を見いだせていないようです。

 

 その理由は単純です。

 

 理由は、その人が持つ「『人間の価値』を測る判断の基準(価値観)」が、自分の価値を見出せないものだからです。

 

 例えば、「成績がいい人には価値があり、成績が悪い人には価値がない」という考えを、「『人間の価値』を測る判断の基準」にしている人は、成績が悪かったら自分に価値を見出すことができません。

 

 また、「容姿がいい人(かっこいい人、きれいな人、かわいい人)には価値があり、そうでない人には価値がない」という考えを、その「判断の基準」にしている人は、自分の容姿が良くなかったら、自分に価値を見出すことができません。

 

 また、「裕福な人には価値があり、貧しい人には価値がない」という考えを、その「判断の基準」にしている人は、裕福でなかったら自分に価値を見出すことができません。

 

 他にも様々なものがありますが、多くの人は、このような、自分に価値を見出せない考え(価値観)を「『人間の価値』を測る判断の基準」にしているために、自分に価値を見出せていないのです。

 

 

 それでは、私たちは、どのような価値観を持つ必要があるのでしょうか。

 

 このことを理解するためには、そもそも人間の存在価値とは、どのようなものかを理解する必要があります。

 

 

 全ての社会的生き物に共通して言えることですが、社会的生き物における個体の存在価値は、「自分が所属している『社会』に貢献して生きる」ところにあります。

 

 社会的生き物には、社会をつくり、その中で生活する性質があります。

 

 ですから、社会的生き物における全ての個体は、自分が「望む」「望まない」にかかわらず、「社会を構成する一員」として社会の中で生活しています。

 

 これは、「『社会的生き物』における全ての『個体』は『社会』に依存して生きている」ということであり、「『社会を存続させること』によってのみ、『生きること』と『種族を存続させること』ができる」ということです。

 

 ですから、どのような社会的生き物でも、その社会に所属している全ての個体は、当然のこととして、「『自分が所属している社会を存続させる』ための働きかけ」をしています。

 

 

 例えば、「アリ」「ハチ」「オオカミ」「ライオン」等は、その「社会(群れ)」に所属している全ての個体が、当然のこととして、「『自分が所属している社会(群れ)を存続させる』ための働きかけ」をしています。

 

 彼らは、自分が所属している社会(群れ)がなくなったら、自分が生きることも、種族を存続させることもできなくなります。

 

 ですから、彼らは、当然のこととして、「『自分が所属している社会(群れ)を存続させる』ための働きかけ」をしているのです。

 

 

 このように、社会的生き物における全ての個体は社会に依存しているので、社会的生き物における全ての個体にとって、「『自分が所属している社会』を存続させること」は、「自分が生きること」と同じレベルで重要になります。

 

 ですから、「『自分が所属している社会の存続』に大きく貢献している個体」は、必然的に、その社会を構成する全ての個体にとって「価値ある存在」となります。

 

 逆に、「『その社会の存続』に貢献していない個体」は、「価値のない存在」となります。

 

 それどころか、そもそも社会は、その社会を構成する全ての個体の働きによって成り立っているので、社会に所属しているにもかかわらず、その社会の存続に全く貢献していなかったら、その個体は、その社会にとって「不必要な存在」となります。

 

 

 これらのことから、社会的生き物における個体の存在価値が、「自分が所属している『社会』に貢献して生きる」ところにあることが分かります。

 

 社会的生き物における全ての個体は、「自分が所属している『社会』に貢献している」からこそ、「『自分が所属している社会を存続させるための働きかけ』をしている」からこそ、存在価値があるのです。

 

 

 さて、このように、社会的生き物における個体の存在価値は、「自分が所属している『社会』に貢献して生きる」ところにあるので、「人間の存在価値(『人間社会』における『個人』の存在価値)」も、当然、「『人間社会』に貢献して生きる」ところ、「『人間社会を存続させるための働きかけ』をして生きる」ところにあります。

 

 ですが、私は、人間が幸福を感じるためには、そこから一歩進んだところに「人間の存在価値」を見出す必要があると考えます。

 

 

 全ての人は、本質的に幸福を求めています。また、全ての人には、幸福になる権利があります。ですから、社会は、全ての人が幸福を感じられる状態であるべきだと言えます。

 

 そこから考えて、私は、「『全ての人が幸福を感じられる社会』を維持する働きかけをして生きる」ところに、「人間の存在価値」があると考えます。

 

 

 能力が高いか低いかは関係ありません。裕福か貧しいかも関係ありません。容姿が綺麗か、綺麗でないかも関係ありません。

 

「全ての人が幸福を感じられる社会」を維持する働きかけをして生きているかどうかが問題なのです。

 

 つまり、どれだけ「能力が高い人」「成績がいい人」「容姿がいい人」「裕福な人」「有名な人」「強い権力を持っている人」であっても、「『全ての人が幸福を感じられる社会』を維持する働きかけ」を全くしていなかったら、その人は、「価値のない存在」ということです。

 

 逆に、どれだけ「能力が低い人」「成績が悪い人」「容姿が悪い人」「貧しい人」「有名でない人」「権力がない人」であっても、「『全ての人が幸福を感じられる社会』を維持する働きかけ」をしているなら、その人は、「価値ある存在」ということです。

 

 また、「能力」「人を取り巻く状況」「運」等は人によって違うので、「『全ての人が幸福を感じられる社会』を維持する働きかけ」をしようと思っても、「上手く行なえる人」「上手く行なえない人」「たくさん行なえる人」「あまり行なえない人」がいます。

 

 ですが、たとえ「上手く」「たくさん」は行なえないとしても、「『全ての人が幸福を感じられる社会』を維持する働きかけ」をしているなら、その人は、「『全ての人が幸福を感じられる社会』を支える重要な存在」「価値ある存在」ということです。

 

 

 このような考えを、「『人間の価値』を測る判断の基準(価値観)」として持っていれば、誰でも、自分の心がけ次第で、自分に価値を見出すことができます。

 

「子供」「大人」「お年寄り」「男性」「女性」「能力が高い人」「能力が低い人」「裕福な人」「貧しい人」「政治家」「国民」、また職業にかかわらず、文化にかかわらず、国籍にかかわらず、全ての人が、自分に価値を見出すことができるのです。

 

 人間が幸福を感じる上で、「『自分の存在価値』を実感できること」は、とても重要ですが、誰でも、一生、「『自分の存在価値』を実感すること」ができるのです。

 

 

 このようなことから、精神状態を安定させる上で、意識的に、自分をそのような生き方をしている状態にし、「常に、自分の存在価値を実感している状態」にすることは、とても重要だと言えるのです。

 

 

 つづく

 

 

精神状態を安定させる方法2

 

前回に続き、今回も、精神状態を安定させる上で、特に重要になることについて、お伝えしたいと思います。

 

今回は、自分を「常に、自分の運命を受け入れている状態」にするということについてです。

 

※ここで言う運命とは、「人生で起こる全ての出来事」のことです。

 

 

 人間の全ての精神的苦しみは、理想と現実の間に差があることによって生まれます。

 

 人間には欲がありますが、欲が湧いた時点では、つまり「~が欲しい」と思った時点では、「その『~』は手に入れていない状況」にあります。

 

 ですから、人間は「~が欲しい」「~を手に入れたい」と思うと、「その『~』を手に入れた状況(欲が満たされた理想の状況)」と「『~』を手に入れていない現状(欲が満たされていない現状)」の差に、少なからず不満足(精神的苦しみ)を感じます。

 

 また、「~をしたくない」というのも同じで、「~をしたくない」と思った時点では、「『~』をしなければならない状況」にあります。

 

 ですから、「~をしたくない」と思うと、「『~』をしなくていい状況(欲が満たされた理想の状況)」と「『~』をしなければならない現状(欲が満たされていない現状)」の差に、少なからず不満足(精神的苦しみ)を感じます。

 

 このように、人は、「『理想(欲が満たされた理想の状況)』と『現実(欲が満たされていない現状)』の間に差があること」によって不満足(精神的苦しみ)を感じるので、「もっといい生活がしたい」「もっと強くなりたい」「もっとキレイになりたい」「もっとお金が欲しい」「もっと権力を手に入れたい」「もっと癒されたい」「もっといい人に出会いたい」「もっと楽しみたい」「出世したい」「有名になりたい」「相手にされたい」「いい家に住みたい」「旅行をしたい」「努力をしたくない」「仕事をしたくない」「勉強をしたくない」と思えば思うほど、より多くの不満足(精神的苦しみ)を感じることになります。

 

 また、それを強く思えば思うほど、理想と現実の差が明確になるので、より強い不満足(精神的苦しみ)を感じることになります。

 

 

 このように、人は、理想と現実の間に差があることによって、精神的に苦しむのですが、「自分の『運命』を受け入れること」ができれば、その差は解消されます。

 

 そして、その差が解消されるので、精神的苦しみも解消されます。つまり、精神が安定するということです。

 

 

 例えば、人によっては困難に直面すると、「困難がなければいいのに」という、「困難がない状況」を欲する欲を持ちますが、このような欲でも、強く持てば持つほど理想と現実の差が明確になるので、より精神的に苦しむことになります。

 

 ですが、どのような困難に直面しても、「そういうこともある」「人生は山あり谷ありである」「世の中には『自分よりも大変な状況にいる人』がいる」と考え、「自分の運命を受け入れること」ができれば、じたばたせず、「前向きに生きる覚悟」を決められるようになるので、精神的苦しみは、少なからず解消されます。

 

 

 また、人間には「生きよう」とする欲があるので、人によっては死に直面すると、「生きたい」という欲を必要以上に強く持ちます。

 

 そして、そのために、かえって恐怖に怯え、苦しむことになります。

 

 ですが、たとえ死に直面しても、「生きているものは必ず死ぬ」「人が死ぬのは自然のことである」「『生まれること』と『死ぬこと』はセットになっている」「人間は、ただ生きて、ただ死ぬだけである」「生まれた瞬間から『死へのカウントダウン』は始まっている」と考え、死を受け入れることができれば、死に対する恐怖心が減り、死に直面しても「落ち着き」「心の平静さ」「平常心」を保つことができるようになります。

 

 

 また、「出世」「名声」「地位」「成功すること」を望むのは自然なことですが、人によっては、それを必要以上に強く求めてしまい、そのために、活動がうまくいかないときや、作業がはかどらないときに、「イライラ」「せかせか」し、ストレスを多く抱えてしまいます。

 

 ですが、たとえ高い理想を持っていたとしても、それと同時に、「自分の運命を受け入れる感覚」もしっかり持っていれば、どのような状況になっても、どのような結果になっても、常に「冷静さ」を保っていられます。

 

 

 また、人によっては、思い出したくない程の「後悔」や「失敗」や「嫌な経験」があると、それを受け入れることができず(「それがなければいいのに」という欲を強く持ち)、そのために、いつまでも苦しい思いをし、「前向きに生きること」ができなかったり、「うつ」になったりします。

 

 ですが、そのようなことも、「失敗をしない人など、どこにもいない」「失敗は次に生かせばいい」「過ぎたことをいつまでも考えていても仕方がない」「いつまでも、くよくよしていても意味がない」と受け入れることができれば、気持ちが切り替わり、「過去にとらわれずに、未来に目を向けよう」「過去はともかく、これからの人生をいいものにしよう」という、「前向きに生きる意欲」が湧いてきます。

 

 

 また、能力や人格を向上させる上で「理想を高く持つこと」は重要ですが、理想を高く持つだけで、「失敗」「自分の短所」「能力が劣っていること」「うまくできないこと」等を受け入れる感覚を持っていなかったら、理想と現実の差が必要以上に気になったり、失敗したときのショックが大きくなったりします。

 

 ですが、「『ありのままの自分』を受け入れる感覚」「どのような結果でも受け入れる感覚」をしっかり持っていれば、常に「落ち着き」「心の平静さ」を保っていられます。

 

 

 これらのことから分かるように、自分を「常に、自分の運命を受け入れている状態」にすれば、精神状態は安定するのです。

 

 ですから、精神状態を安定させるために、意識的に、自分を「常に、自分の運命を受け入れている状態」にするのです。

 

 

 つづく

 

 

 

精神状態を安定させる方法1

 

 人間が幸福になる上で、「精神状態が安定していること」は必要不可欠です。

 

 そこで、私が考える「精神状態を安定させる方法」について、お伝えしたいと思います。

 

 

精神状態を安定させる上で、特に重要になるのは、次の3つです。

 

1、自分を「常に、あらゆる恩恵に心から感謝している状態」にすること

2、自分を「常に、運命を受け入れている状態」にすること

3、自分を「常に、自分の存在価値を実感している状態」にすること

 

 

 これらについて、順番に説明してみたいと思います。

 

 

1、自分を「常に、あらゆる恩恵に心から感謝している状態」にする

 

 世の中には、ネガティブな人とポジティブな人がいます。

 

 ネガティブな人は、一日を振り返るときに、その日にあった嫌なことを思い出します。一年を振り返るときに、その年にあった嫌なことを思い出します。一生を終えるときに、人生で起きた嫌なことを思い出します。

 

 一方、ポジティブな人は、一日を振り返るときに、その日にあった良かったこと、楽しかったことを思い出します。一年を振り返るときに、その年にあった良かったこと、楽しかったことを思い出します。一生を終えるときに、人生で起きた良かったこと、楽しかったことを思い出します。

 

 さて、ネガティブなことに意識がはまっている人と、ポジティブなことに意識がはまっている人と、どちらが幸福と言えるでしょうか?

 

 それは、当然、ポジティブなことに意識がはまっている人です。

 

 人生には、いいことも嫌なことも起こりますが、ネガティブなことに意識がはまっていると、ネガティブなことばかりに目が向くので、人生は、嫌なことばかりに見えます。

 

 ですから、そういう人は、幸福を感じるのが難しくなります。

 

 逆に、ポジティブなことに意識がはまっていれば、ポジティブなことばかりに目が向くので、人生は、良いこと、楽しいことばかりに見えます。つまり、幸福を感じやすくなるのです。

 

 

 それと同じで、自分を、「『自分は、様々な恩恵を受けることによって生きることができている』と実感している状態」、また「常に、様々な恩恵に対して、心から感謝している状態」にすれば、心が穏やかになります。

 

 生きていると、次から次へと困難なことや理不尽なことが起こりますが、そこに意識がはまっていたら、精神は安定しなくなります。

 

 ですから、意識的に、自分を「『自分は、様々な恩恵を受けることによって生きることができている』と実感している状態」「常に、様々な恩恵に対して、心から感謝している状態」にするのです。

 

「自分が受けている恩恵」と「自分が受けている理不尽なこと」を比較して、「理不尽なこと」の方が多いから、私は感謝しないということではありません。

 

「常に、自分が受けている恩恵に目を向けている状態」、そして「常に、その恩恵に対して感謝の気持ちを持っている状態」でいる方が、精神衛生上いいから、意識的に、自分をその状態にするのです。

 

 つまり、幸福になるために、意識的に、自分をその状態にするのです。

 

「常に、自分が受けている恩恵に目を向け、常に感謝の気持ちを持っている状態」と「常に、日々起こる嫌なことや理不尽なことに目を向け、怒ったり、イライラしたりしている状態」と、どちらが幸福な状態と言えるでしょう?

 

 それは、当然前者なのです。 

 

 

 つづく

令和4年度になったから、新しいゴールを設定しよう

 

こんにちは、プロコーチの伊藤豪です。

 

4月になり、令和4年度になりました。

 

会社などでは、すでに新しい目標があり、それを達成するための活動をしていることと思います。

 

ゴール設定という発想で言うと、新しいゴールを設定し、そのゴール達成のために活動をしているということです。

 

 

ゴール(目的)を設定することは、とても重要です。

 

なぜなら、ゴール(目標)がなかったら、今やっていることを続けても、最終的にどのような状態になるかが分かりませんし、毎日を、ただ何となく過ごすことになるからです。

 

ですが、ゴール(目標)があれば、最終的にどのような状態になるのかが分かりますし、そこから逆算して、今やるべきことも明確になります。

 

 

会社は、利益を出し続ける必要がありますが、日々の活動を、ただ何となく繰り返していたら、いずれ、利益を出せなくなり、会社を存続させることができなくなります。

 

そのために、しっかりとした目標設定が必要になるのです。

 

 

会社の目的は、利益を上げること、利益を出し続けることというように分かり易いので、ゴール(目標)を設定するのは、それほど難しくないですが、人生のゴール(目標)は、少し難しいかもしれません。

 

 

TICEコーチングには、ゴール設定のルールがあります。

 

1本心から望むゴールであること

2現状の外側に設定すること(できるだけ大きいゴールを設定すること)

3人生の各方面にバランスよくゴールを設定すること

 

この3つです。

 

 

本心から望むゴールを設定するというのは、世間の目を気にしたり、親や誰かに言われたりしたから設定するというように、本心から望んでいないことをゴール(目標)に設定した場合、たとえ、それが達成できたとしても、幸せを感じることができないからです。

 

また、それ以前に、いまいちやる気が出ないので、それを達成することができない場合が多いからです。

 

 

現状の外側に設定する(できるだけ大きいゴールを設定する)というのは、小さいゴールを設定すると、今の知識、今の習慣、今の生活、今の自分を変える必要がほとんどないので、逆に、今の自分にとらわれて、変化することが難しくなるからです。

 

理想は、できるだけ大きなゴールを設定し、そこから逆算して、そこに向かうための通過地点のゴールを設定し、それをクリアしながら、最終的なゴールにたどり着くことです。

 

 

人生の各方面にバランスよくゴールを設定するとは、仕事、家族、趣味、生涯学習、地域社会、人間関係等、いくつかの方面に、バランスよくゴールを設定するということです。

 

例えば、仕事は人生を構成する大切な要素ですが、人生そのものではないので、仕事のゴールしか設定していなかったら、「仕事のゴールは達成したけど、なんだか人生がつまらない、幸福を感じることができない」ということが起こってしまいます。

 

基本的に、全ての人は、幸せを求めているのですから、自分が考える「幸せな人生」を考え、それを構成するいくつかの要素を挙げ、それぞれにゴールを設定し、それらすべてを達成するようにした方がいいのです。

 

 

 

さて、これらが、TICEコーチングにおけるゴール設定の3つのルールなので、これらを意識して、令和4年度のゴールを設定してみましょう。

 

ゴール(目的、目標)を設定しないと、ただなんとなく毎日を過ごすことになるので、今年度が終わる頃も、今とほとんど変わらない生活を送っていることになるでしょう。

 

ゴールをしっかり設定するからこそ、人生は変化していくのです。

 

ゴール設定をしたことがなく、いまいち面倒くさいと思っている人は、何か一つでもいいので、ゴールを設定してみてください。

 

趣味、スキルアップ、知識を増やす、人間関係の改善、人脈を広げる等なんでもいいので、試しに、それをゴールに設定し、それを達成している状態を明確にイメージし、自分はそれができる人間だと強く思ってください。

 

そして、それができるようになって、とてもうれしい、そんな毎日がとても楽しい、そんな人生がとても楽しい、そんな自分が大好きだと、強く思ってください。

 

そのようなイメージをしっかり持つことができれば、あなたは、次第にその状態に変わっている自分を、実感することになるでしょう。

 

 

ゴールを上手に設定して、より楽しい人生を歩んでいきましょう。

 

 

 

いじめを目撃したら、止める?止めない?

 

あなたは、いじめを目撃したことはありますか?

 

いじめの場面に遭遇したことはありますか?

 

 

いじめは、ニュースで度々取り上げられていることから分かるように、意外と多く起きています。

 

いじめをする人は、様々なストレスを抱えていたり、自己肯定感が低かったりしますが、理由はどうあれ、いじめは良くありません。

 

世の中は、いじめのない世の中であるべきだと言えます。

 

 

いじめのない世の中であるためには、一人一人がいじめをしないことはもちろんですが、いじめを目撃したら、それを止めることも必要です。

 

たとえ、上手には止められなくても、いじめられている人は、止めてくれる人がいるというだけでも、少しは心が救われます。

 

ですから、いじめの場面に遭遇したら、必ず止めてください。

 

 

ですが、いじめを止めるのには、勇気がいります。簡単なことではありません。

 

それではどうするか?

 

次のようなビジュアライゼーションをすると、徐々にかもしれませんが、いじめを止められるようになっていきます。

 

 

 

まず、どんな場面でもいいので、いじめが行なわれている場面を想像してください。

 

その場面を鮮明にイメージし、体感してください。

 

 

今、目の前で、いじめが行なわれています。

 

いじめをしている人達は、どんなことをしていますか?

 

いじめをしている人達は、どんな言葉を発していますか?

 

いじめをしている人達の顔は、どんな表情ですか?

 

いじめられている人の顔は、どんな表情ですか?

 

その場の空気感は、どんな感じですか?

 

その場は、どんな匂いがしますか?

 

それを見ているあなたは、どんな心境ですか?

 

 

その状況で、もし、あなたが、それを止めるとしたら、どうやって止めますか?

 

どんな方法でもいいので、それを止める場面を想像してください。

 

 

そして、止めることができたら、自分をしっかり褒めてください。

 

そして、「自分は、いじめを止めることができる、すごい奴だ。そんな自分が誇らしい。そんな自分が大好きだ」と、心の底から思ってください。

 

 

このようなビジュアライゼーションを、本気で何度も繰り返せば、徐々にかもしれませんが、いじめを止められるようになっていきます。

 

なので、このようなビジュアライゼーションをしっかり行ない、いじめの場面に遭遇したら、是非、止めてほしいと思います。

 

ポイントは、「どんな方法でもいいから、いじめを止める」「あれこれ考えずに、とにかく止める」ということです。

 

 

もし、止められなかったとしても、後で、いじめられた人に、慰めの言葉をかけてあげましょう。

 

ほんの少しでも、その人の心を癒してあげることは、とても大切なことですから。

 

 

 

自分のことが好きになるような、「理想の自分像」を描きましょう

 

あなたは、普段、「理想の自分像」を描くことはありますか?

 

「仕事で、理想のパフォーマンスをしている自分」「家族に対して、理想的な接し方をしている自分」「趣味において、理想の行動をしている自分」

 

理想の自分を思い描いていると、ふとした時に、その「理想的な行動」をするようになります。

 

意識しなくても、自然とそうなるのです。

 

これは、ホメオスタシスの働きによるものなので、本当にそういうことが起こります。

 

 

逆に、理想の自分を全く意識しないと、今の自分が維持されてしまいますし、過去の自分をイメージすることが多いと、ホメオスタシスの働きによって、過去の自分を維持することになってしまいます。

 

なので、自分の人生をより良くしようと思うなら、「理想の人生」や「理想のパフォーマンスをしている自分」を思い描く習慣を身に付けることが大事です。

 

もちろん、自分が考える「理想的な自分」ということです。

 

世間の目を気にしたり、誰かに言われたりしたからそうする、というのではいけません。

 

あくまで自分が考える「理想的な自分」にしてください。

 

 

「上司に対して、理想的な対応をしている自分」「部下に対して、理想的な接し方をしている自分」「友人に対して、理想的な接し方をしている自分」「趣味において、理想的な行動をしている自分」「他人に対して、理想的な接し方をしている自分」「災害時に、理想的な行動をしている自分」

 

 

「理想的な自分」を強く思い描き、その臨場感が高まると、ホメオスタシスは、その自己イメージを維持するように働くので、意識しなくても、徐々にその自分に変わっていきます。

 

逆に、「理想的でない自分像」を強く思い描いてしまうと、ホメオスタシスの働きによって、「理想的でない自分」になってしまいます。

 

 

なので、とにかく、自分のことが好きになるような「理想的な自分」を思い描きましょう。

 

今の自分と、かけ離れていても構いません。

 

とにかく、自分のことが好きになるような、「本心から理想的と思える自分像」を思い描いてみてください。