自己実現コーチ 伊藤豪

幸福に必要なのは「社会の安定」「精神の安定」「自己実現」。それらについて語るブログです。

精神状態を安定させる方法2

 

前回に続き、今回も、精神状態を安定させる上で、特に重要になることについて、お伝えしたいと思います。

 

今回は、自分を「常に、自分の運命を受け入れている状態」にするということについてです。

 

※ここで言う運命とは、「人生で起こる全ての出来事」のことです。

 

 

 人間の全ての精神的苦しみは、理想と現実の間に差があることによって生まれます。

 

 人間には欲がありますが、欲が湧いた時点では、つまり「~が欲しい」と思った時点では、「その『~』は手に入れていない状況」にあります。

 

 ですから、人間は「~が欲しい」「~を手に入れたい」と思うと、「その『~』を手に入れた状況(欲が満たされた理想の状況)」と「『~』を手に入れていない現状(欲が満たされていない現状)」の差に、少なからず不満足(精神的苦しみ)を感じます。

 

 また、「~をしたくない」というのも同じで、「~をしたくない」と思った時点では、「『~』をしなければならない状況」にあります。

 

 ですから、「~をしたくない」と思うと、「『~』をしなくていい状況(欲が満たされた理想の状況)」と「『~』をしなければならない現状(欲が満たされていない現状)」の差に、少なからず不満足(精神的苦しみ)を感じます。

 

 このように、人は、「『理想(欲が満たされた理想の状況)』と『現実(欲が満たされていない現状)』の間に差があること」によって不満足(精神的苦しみ)を感じるので、「もっといい生活がしたい」「もっと強くなりたい」「もっとキレイになりたい」「もっとお金が欲しい」「もっと権力を手に入れたい」「もっと癒されたい」「もっといい人に出会いたい」「もっと楽しみたい」「出世したい」「有名になりたい」「相手にされたい」「いい家に住みたい」「旅行をしたい」「努力をしたくない」「仕事をしたくない」「勉強をしたくない」と思えば思うほど、より多くの不満足(精神的苦しみ)を感じることになります。

 

 また、それを強く思えば思うほど、理想と現実の差が明確になるので、より強い不満足(精神的苦しみ)を感じることになります。

 

 

 このように、人は、理想と現実の間に差があることによって、精神的に苦しむのですが、「自分の『運命』を受け入れること」ができれば、その差は解消されます。

 

 そして、その差が解消されるので、精神的苦しみも解消されます。つまり、精神が安定するということです。

 

 

 例えば、人によっては困難に直面すると、「困難がなければいいのに」という、「困難がない状況」を欲する欲を持ちますが、このような欲でも、強く持てば持つほど理想と現実の差が明確になるので、より精神的に苦しむことになります。

 

 ですが、どのような困難に直面しても、「そういうこともある」「人生は山あり谷ありである」「世の中には『自分よりも大変な状況にいる人』がいる」と考え、「自分の運命を受け入れること」ができれば、じたばたせず、「前向きに生きる覚悟」を決められるようになるので、精神的苦しみは、少なからず解消されます。

 

 

 また、人間には「生きよう」とする欲があるので、人によっては死に直面すると、「生きたい」という欲を必要以上に強く持ちます。

 

 そして、そのために、かえって恐怖に怯え、苦しむことになります。

 

 ですが、たとえ死に直面しても、「生きているものは必ず死ぬ」「人が死ぬのは自然のことである」「『生まれること』と『死ぬこと』はセットになっている」「人間は、ただ生きて、ただ死ぬだけである」「生まれた瞬間から『死へのカウントダウン』は始まっている」と考え、死を受け入れることができれば、死に対する恐怖心が減り、死に直面しても「落ち着き」「心の平静さ」「平常心」を保つことができるようになります。

 

 

 また、「出世」「名声」「地位」「成功すること」を望むのは自然なことですが、人によっては、それを必要以上に強く求めてしまい、そのために、活動がうまくいかないときや、作業がはかどらないときに、「イライラ」「せかせか」し、ストレスを多く抱えてしまいます。

 

 ですが、たとえ高い理想を持っていたとしても、それと同時に、「自分の運命を受け入れる感覚」もしっかり持っていれば、どのような状況になっても、どのような結果になっても、常に「冷静さ」を保っていられます。

 

 

 また、人によっては、思い出したくない程の「後悔」や「失敗」や「嫌な経験」があると、それを受け入れることができず(「それがなければいいのに」という欲を強く持ち)、そのために、いつまでも苦しい思いをし、「前向きに生きること」ができなかったり、「うつ」になったりします。

 

 ですが、そのようなことも、「失敗をしない人など、どこにもいない」「失敗は次に生かせばいい」「過ぎたことをいつまでも考えていても仕方がない」「いつまでも、くよくよしていても意味がない」と受け入れることができれば、気持ちが切り替わり、「過去にとらわれずに、未来に目を向けよう」「過去はともかく、これからの人生をいいものにしよう」という、「前向きに生きる意欲」が湧いてきます。

 

 

 また、能力や人格を向上させる上で「理想を高く持つこと」は重要ですが、理想を高く持つだけで、「失敗」「自分の短所」「能力が劣っていること」「うまくできないこと」等を受け入れる感覚を持っていなかったら、理想と現実の差が必要以上に気になったり、失敗したときのショックが大きくなったりします。

 

 ですが、「『ありのままの自分』を受け入れる感覚」「どのような結果でも受け入れる感覚」をしっかり持っていれば、常に「落ち着き」「心の平静さ」を保っていられます。

 

 

 これらのことから分かるように、自分を「常に、自分の運命を受け入れている状態」にすれば、精神状態は安定するのです。

 

 ですから、精神状態を安定させるために、意識的に、自分を「常に、自分の運命を受け入れている状態」にするのです。

 

 

 つづく