前回まで、3回にわたって、精神状態を安定させる上で特に重要になる3つのことについて、お伝えしてきました。
3つのこととは、以下のことです。
1、自分を「常に、あらゆる恩恵に心から感謝している状態」にすること
2、自分を「常に、運命を受け入れている状態」にすること
3、自分を「常に、自分の存在価値を実感している状態」にすること
これらを読んだあなたは、それらが、精神状態を安定させる上で、とても重要であることが、一応は、理解できたと思います。
ですが、あなたは、こう思っているのではないでしょうか?
「一体どうやってそれを実現させるのか?」「なんだかとても難しそう」「自分には、とてもできそうにない」
確かにそう思えるかもしれません。
ですが、安心してください。とても簡単な方法があるのです。これから、その方法について、説明したいと思います。
元祖コーチ ルー・タイスのコーチング
あなたは、ルー・タイスの名前を聞いたことがありますか?
元祖コーチと言われる人で、いわゆる自己実現をサポートするコーチングは、ほぼすべてが、ルー・タイスのコーチングから派生したものだと言われています。
彼の実績は、有名なものだけでも、以下の通りです。
米国トップ大企業であるフォーチュン500社の60%以上の企業、英国ではフィナンシャル・タイムズ誌100社の30%以上の企業、その他、連邦政府機関、州政府機関、国防総省、警察、多くの大学、高校、中学等の教育機関に導入され、着実な成果を上げている。
苫米地博士との共同プログラムであるTPIEや子供向けのコーチングプログラムであるPX2は、全世界で3300万人が受講し、特にPX2は世界各国で行政機関から認可された教育プログラムとして導入されている。
アメリカ・オリンピックチームや中国のオリンピック委員会がシステムの導入を図るなど、世界各国のプロのスポーツ選手の強化の面でも多くの実績がある。
タイガー・ウッズの父親も、ルー・タイスのプログラムの受講者であり、その教えを受けたタイガー・ウッズが、ゴルフ界の頂点に君臨した。
また、オリンピック米国水泳選手のマイケル・フェルプスは、オリンピックで金メダル23個(2018年時点)の歴代1位の結果を出しているが、彼は、10代からこのプログラムを活用している。
ルー・タイスのコーチングプログラムは、このように世界的に実績があるのですが、私は、ルー・タイスのコーチング(TICEコーチング=パフォーマンス・エンハンスメント・コーチング)の認定を正式に受けたプロのコーチです。
ですので、私は、ルー・タイスのプログラムの中心的技術である、アファメーション、ビジュアライゼーション、セルフトークのコントロールを理解しています。
これらを活用すれば、自分を変えるのは、難しくありません。
アファメーション、ビジュアライゼーション、セルフトークのコントロールを行なって、無意識のレベルから自己イメージを変えます。
そうすると、苦しい思いをして頑張ったり、必死になって努力したりしなくても、自然と、その状態に変わっていけるのです。
ビジュアライゼーション、アファメーション、セルフトークのコントロールの説明を以下に載せてありますので、是非、試してみてください。
ビジュアライゼーション
「自己実現をする(ゴールを達成する)ためには、自己イメージを変える(ゴールの世界やゴールを達成している自分の臨場感を高める)必要がありますが、ビジュアライゼーションは、そのための手法の一つです。
ビジュアライゼーションは、イメージを使って、ゴールの世界のリアリティや自己イメージの臨場感を高める技術です。
ビジュアライゼーションを行なうときは、まず、「ゴールを達成している自分」を鮮明にイメージします。
ゴールを達成している自分は、どんな習慣、態度、能力、立ち居振る舞い、服装等をしているかを考え、鮮明にイメージします。
また、どのような人間関係を持っているか、どのような家に住んでいるか、どのような心持ちで毎日過ごしているか、どのような仕事ぶりか、どのように地域の人と付き合っているか、経済面では何を重視しているか等も鮮明にイメージします。
ゴールの世界で経営者になっているのであれば、会社や社員の様子はどうか、どんな物やサービスを提供しているか、お客さんの反応はどうか等も鮮明にイメージします。
「ゴールを達成している自分」を、とにかく鮮明にイメージするということです。
次に、過去の体験を思い出すなどして、「うれしい」「楽しい」「誇らしい」「すがすがしい」「気持ちいい」等の「ポジティブな感情」を呼び起こします。
そして、呼び起こした「ポジティブな感情」を実感しながら、「ゴールを達成している自分」を鮮明にイメージします。
「ゴールを達成している自分」のイメージと呼び起こした「ポジティブな感情」をセットにして、自分の無意識に刷り込む感じです。
「ゴールを達成している自分」をイメージしたときに、「うれしい」「楽しい」「誇らしい」「すがすがしい」「気持ちいい」等のポジティブな感情が湧き上がってくるようにするのです。
これがビジュアライゼーションですが、これを何度も繰り返せば、ゴールの世界の自己イメージの臨場感が高まります。そして、その臨場感が高まれば、ホメオスタシスが、その自己イメージを維持するために働くので、自然とゴール達成ができます。
多くの人は、「今の自分」「今の状況」に高い臨場感を持っていますが、それだと、ホメオスタシスは現状を維持するために機能するので、ゴールを達成することはできません。
ゴールを達成するためには、とにかく「ゴールを達成している自分」の臨場感を高めることが必要不可欠なの
です。
ビジュアライゼーションは、そのための有効な手法の一つです。
アファメーション
自己実現をする(ゴールを達成する)ためには、自己イメージを変える(ゴールの世界やゴールを達成している自分の臨場感を高める)必要がありますが、アファメーションは、そのための手法の一つです。
アファメーションは、言葉を使ってゴールの世界のリアリティや自己イメージの臨場感を高める技術です。
アファメーションは、まず、「ゴールが達成された状態」や「ゴールを達成するために必要なスキル、習慣、人間関係等をすでに手に入れた状態」を文として書きだします。書き出した文に、ポジティブな感情が含まれていると、より効果が得られます。
例えば、「私は、ゴール達成に必要なことなら、どんなことでも失敗を恐れず、果敢に立ち向かっていきます。たとえ失敗しても、それを簡単に乗り越えることができるので、毎日が、とても楽しいです」「私は、独立、起業して、年商100億円の会社を経営しています。経営がうまくいっているので、毎日が楽しくて仕方ありません」
「私には、圧倒的な存在感、威厳、優しさ、ユーモア、能力、揺るぎない自信があるので、多くの人が私に付き従ってくれています」「私は、一流の経営者なので、必要なスキルを、定期的に楽しみながら高めています」「私は、温かい家庭を築いているので、家族全員が、毎日幸せに暮らしています」「私は、一家の大黒柱として、家族全員の意見に耳を傾けつつ、強力なリーダーシップを発揮しています。みんなから尊敬されているので、とても誇らしいです」等です。
次に、その文を読みます。そして、その文から想起されるイメージを思い浮かべます(もしくは、その文を読みながら、想起されるイメージを思い浮かべます)。
これがアファメーションですが、これを繰り返すと、書き出した文の状態が、自己イメージとして無意識に刷り込まれるので、自然とゴール達成に向かっていきます。
アファメーションは、ゴールの世界の臨場感を高める技術なので、毎日行なうのが理想です。
ゴール達成に有効だと思うアファメーションがあったら、どんどん行なってください。必要ないと思ったアファメーションはやめるようにします。
また、アファメーションの効果が得やすいのは、夜寝る前と、朝起きてからです。脳波の状態が、シータ波からアルファ波の状態のときが特に効果的ということです。
アファメーションは、しっかり行なえば、確実に効果が得られるので、すぐに効果が実感できなくても、とにかく繰り返し続けましょう。
セルフトーク
セルフトークとは、「しまった!」「なんて私は馬鹿なんだ」「いいぞいいぞ!」「うまくいった!」というように、内省的に言う独り言、自分自身に語り掛ける言葉のことです。
誰でも、人の話を聞いているとき、テレビや新聞を見ているとき、何らかの作業をしているとき等に、心の中で、あれこれと独り言を言っています。もちろん、声に出して言っている場合もあります。これらは、すべてセルフトークです。
ルー・タイスは、このセルフトークをコントロールすることが、人生を変える上で非常に重要だと言っています。
人は、1日に数万回(一説には5万回)ものセルフトークをしていると言われていますが、そのセルフトークによって自己イメージがつくられているからです。
「なんて私は馬鹿なんだ」というセルフトークを繰り返すと、「私は馬鹿である」という自己イメージを持つことになります。50点をとった時に「まあ、こんなもんだろう」というセルフトークを繰り返すと、「私には50点が普通である」という自己イメージを持つことになります。「いつも失敗するんだよなぁ」というセルフトークを繰り返すと、「私は、いつも失敗する」という自己イメージを持つことになります。「どんな困難でも乗り越えられる」というセルフトークを繰り返すと、「私は、どんな困難でも乗り越えられる」という自己イメージを持つことになります。
このように、自己イメージは、セルフトークによってつくられるので、自己実現をする(ゴールを達成する)ためには、自己実現につながるポジティブなセルフトークをし、ネガティブなセルフトーク、自己評価を下げるセルフトークは、全くしないようにする必要があります。つまり、セルフトークをコントロールする必要があるということです。
「ポジティブなセルフトーク」と「ネガティブなセルフトーク」の例を挙げるので、それらの違いを理解して、セルフトークをコントロールしてみましょう。
エフィカシーとセルフ・エスティームが上がるような、ポジティブなセルフトークをしてください。
うまくいかなかったときや失敗したときは、「今のは自分らしくなかった」「次はこうする」「次はこうなる」というセルフトークをしましょう。
「ポジティブなセルフトーク」
「俺って最高!」「失敗したけど、そういうときもある」「今はできないけど、できるようになる」「気にする必要はない」「コツをつかめば、何でもできる」「少しずつだけど、確実に良くなっている」「明日があるさ」「どうにかなるさ」「必ずチャンスは来る」「自分には価値がある」「私にはできる」「これが大好きだ」「これは自分が選んだことだ」
「ネガティブなセルフトーク」
「私のせいだ」「ボールを落としてしまった」「私は、いつも重要なときに失敗する」「私には、売り上げが伸ばせない」「私たちはいつも負ける」「私は、その仕事に就けない」「私はいつも貧乏だ」「しなければならない」「ああすべきだった」「そうしていただろうに」「こうできたはず」「ああしさえすれば」「私はいったいどうしたというのだ」「なぜこんなにばかな真似を」「またやってしまった」「自分はいったいどうなっているんだろう」