急いでいるときや慌てているときなどに、「リモコンがない。リモコンがない」と思いながらリモコンを探していると、視界に入っていても、それが見えなくなる（リモコンを見つけることができなくなる）ということが起こります。
「ここにはない」と思いながら探していると、無意識が「リモコンは、ここにはない」という世界を作り、それを維持しようとするため、認識できなくなるのです。
このようなときでも、しばらく経って、気持ちが落ち着いてから探すと、意外と目の前にあったりします。
誰にでも経験があるのではないでしょうか？
これには、ホメオスタシスやＲＡＳが関係しているようです。
私は、先日、まさにそのような体験をしました。
私は、少し前に買ったノートパソコンに、マイクロソフトの「オフィス２０１３」をインストールしようと思っていました。
その「オフィス２０１３」は、数年前に買ったもので、２台のパソコンにインストールできるタイプです。
１台にはインストールしていましたが、１台分は余っていたので、それをインストールしようと思っていました。
私は、そのとき忙しかったので、急いでそれをインストールしようと思いました。
ところが、ふと「そういえば、すでに２台にインストールしていた気がする」と思いました。
一応プロダクトキーを入力しましたが、インストールできなかったので、「やっぱり」と思い、急いで家電量販店に行きました。
そして、とりあえず必要なのはパワーポイントなので、それを買いました。
私は、急いで家に戻り、買ってきたパワポをインストールしようとしました。
パワポのプロダクトキーを入力しようとしましたが、ふと「でも、やっぱりオフィス２０１３は、一台分はインストールしていないはずだよな」と思いました。
そこで、もう一度、「オフィス２０１３」のインストールを試みました。
すると、なんと、今度は普通にインストールできたのでした。
「さっきは何でインストールできなかったんだろう？」
そう思いましたが、とにかく私は、買う必要のないパワポを急いで買いに行くという「無駄なこと」をしてしまったわけです。
このケースでは、「私は急いでいたため『これは、すでに２台にインストールしている』と思い込み、その結果、私の無意識が『すでに２台にインストールしている』という世界をつくり、その世界を維持するために働いたため、正しいやり方が見えなくなっていた」と考えられます。
プロダクトキーを入力したときに、入力ミスをしたのか、入力する場所を間違えたのかは分かりません。
ですが、いずれにしろ、私は、買う必要のないパワポを急いで買いに行くという「無駄なこと」をしたのでした。
このようなことを完全に防ぐことは難しいですが、私は、普段、コーチング的な発想で、このようなことに対処しています。
具体的に言うと、例えば、出かける前に、忘れ物がないか部屋の中を見渡すときに、「私は、忘れているものがあったら、それを見つけることができる」「私は、忘れている物を見つけるのが得意だ」というセルフトークを言いながら、部屋の中を見渡しています。
基本的に、私は忘れ物をしないので、「忘れているもの」を見つけることはありませんが、たまに、「忘れている物」を見つけることができます。
「どこにもない、どこにもない」と思いながら探していると、無意識が「それはどこにもない」という世界をつくってしまうので、見つけられる確率は下がってしまいます。
「できない、できない」と思いながら取り組んでいると、無意識が「それはできない」という世界をつくってしまうため、できる確率は下がってしまいます。
なので、もし、何かを探す機会があったら、そのときは、「私は、それを見つけることができる」と思いながら探してください。
何かに取り組むときは、「私は、それができる」「私は、いずれそれができるようになる」と思いながら取り組んでください。
そうすれば、私のように「無駄なこと」をしないですむはずです。
